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【2025年】アメリカの給食を管理栄養士が徹底解説!無償化・メニューも完全網羅

アメリカの学校給食メニュー
  • アメリカの給食メニューや給食費を知りたい
  • 子どもが給食を食べられなかったときの対応は?
  • アレルギー対応やお弁当事情も知っておきたい

アメリカの学校給食は、日本とは制度も内容も大きく異なります。

とくに最近の給食費無償化の広がりや、2025年秋に施行される新しい栄養基準など、最新情報はしっかりおさえておきたいものです。

わたしはアメリカで2人の子どもを育てながら、管理栄養士としての専門的な視点で現地の学校給食を観察してきました。

この記事では、最新のデータに基づいた給食メニューや学年別の費用相場、そしてアレルギー対応やお弁当文化まで、現地で気になる情報を詳しくご紹介します。

この情報が、これからアメリカで生活を始める方、子どもの食の安全に関心のある方に役立てば幸いです。

この記事を書いた人
ポジまい

アメリカ駐在4年目、8&10歳の男の子を育てる2児の母(管理栄養士)。
駐在準備のコツや子育て・現地生活に役立つ情報を、リアルな経験をもとに発信しています。

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アメリカの学校給食の基本│日本との決定的な違い(10のポイント)

アメリカの小学校のカフェテリア

アメリカの給食には日本にはない独特の特徴があり、その違いを知ることは学校生活を円滑にすることにつながります。

①バイキング形式

日本の給食は全員同じメニューですが、アメリカでは複数のメニューから好きなものを選ぶバイキング形式(お弁当持参も自由)。

メイン料理もいくつかあるので、多少好き嫌いがある子も安心です。

②食事の場所

日本は教室で食べるのが一般的ですが、アメリカはカフェテリア(食堂)で食べることが基本です。

③給食当番・掃除はない

アメリカには給食当番がなく、カフェテリアの専属スタッフが提供。

子どもたちが学校内を掃除することもありません。

④朝食も提供される

日本で馴染みがありませんが、アメリカの多くの学校では朝食も提供されます。

朝起きてすぐにスクールバスで学校へ行き、カフェテリアで朝食を買って食べられます。

朝食を家から持って行って学校で食べてもいいですよ。

⑤食事の回数

日本では、小学校の食事の時間は昼食のみですよね。

アメリカでは昼食に加え、朝食、そして持参したスナックタイム(学級や先生による)がある学校もあります。

息子のクラスの場合、スナックはゆっくりと食べる時間が用意されているわけではなく、「担任の先生が決めている食べていい時間」に読書をしながら、またはプリントを解きながら食べています。

スナックタイムは、先生によってはない場合もあります。

学校にもよるとは思いますが、息子たちの学校は朝食・スナックは教室、昼食はカフェテリアで食べています。

⑥メニューの変更はあたり前

給食は、予定されているメニューが大幅に変わることが頻繁にあり、事前の連絡がないことも「当たり前」です。(週に2~3回変更になることも……)

人気のメニューが前半に売り切れてしまい、あとから食べるクラスは全く違くメニューになることもよくあります。

どうしても食べたいメニューだった時は、カフェテリアのスタッフに聞いてみると奥の方から出してくれることもありますよ。

⑦担任の先生と一緒に食べない

給食時間は先生の休憩時間となるため、担任の先生と一緒に食べることはほとんどありません。

子ども達はクラスメイトと自由に楽しみます。

逆に昼休みは子ども達の様子を見てくださるので、日本の先生とは逆だなーと思います。

⑧白ごはんや和食は出ない

白ごはんや和食はほとんど出ません。

ときどき出るのはインディカ米のような細長いご飯で、日本人の子供達は苦手で食べられないという意見が多いです。

⑨野菜はシンプル

野菜は生か茹でたものが多く、塩やケチャップを添えるなどシンプルな調理法です。

りんごが丸ごとラップに包まれて出てくることもあります。

アメリカでは、りんごは丸かじりする食べ方が主流です。

皮をむいてカットされたりんごしか食べたことがないと、ビックリするかもしれません。

激甘メニューも出てくる

アイシング付シナモンロール

シナモンロール、ピーナツバター&ジェリーサンドイッチ、チョコレートミルクなど、日本人には驚くほど甘いメニューが日常的に提供されます。

【最新】アメリカの給食メニューと選び方

アメリカの給食は基本的に朝食と昼食の2回提供され、どちらも自分の好きなものをいくつか選ぶ形式です。

給食を受け取るときの流れ
  1. 飲みものをえらぶ
  2. メインメニューのお皿をえらぶ
  3. サイドメニューをえらぶ
  4. 会計

朝食メニュー

アメリカの学校給食朝食メニュー

朝食は、メインを1つ、サイドメニューから3つまで、飲みものを1つ選ぶバイキング形式です。

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アメリカの朝食に出てくるハンバーガー
メニュー内容選び方
メインシリアル(ココアパフ、ハニーナッツ、シナモンなど)
ポップタルト
ベーグル
シナモンロール
甘いドーナツ
ハンバーグが挟んであるだけのハンバーガー
アメリカンドッグベーグルなど
シリアルやパン系3~5種類から1つ選ぶ
サイドヨーグルト
コールスローサラダ
生の人参
りんごのコンポート
フルーツ各種(りんご、オレンジ、バナナ)
日替わりで3種類ほど用意されている
※すべて選ぶことも可
飲みもの低脂肪牛乳
低脂肪チョコレートミルク
低脂肪ストロベリーミルク
りんごジュース
オレンジジュース
1つ選ぶ

給食に出てくる牛乳は「BORDEN」というブランドで、Walmartなどのスーパーでもガロンサイズで販売されています。

給食の牛乳はすべて低脂肪または脂肪ゼロですが、チョコレートミルクには多量の砂糖(約25g)が含まれています。アメリカの子ども達に一番人気(8割以上)ですが飲みすぎには注意が必要です。

昼食メニュー

アメリカの学校給食昼食メニュー

昼食もバイキング形式で、用意されたメニューの中から好きなものを選びます。

メインは日替わりで3〜5種類、金曜日はピザが定番の学校もあります。

メニュー内容選び方
メインピザ(ペパロニピザ・チーズピザ)
ナチョス
ハンバーガー
ホットドッグ
フレンチトーストスティック
ベーグル
スパゲッティミートソース
タコス
フライドチキン
チキンナゲットなど
3~5種類から1つ選ぶ
サイドフライドポテト
マカロニチーズ
ゆでたブロッコリー・インゲンマメ
マッシュポテト
ヨーグルト
コールスローサラダ
生の人参(定番)
りんご・パイン・オレンジ・洋梨
イチゴやりんごのコンポート
日替わりで3種類ほど用意されていてすべて選ぶことも可
飲みもの低脂肪牛乳
低脂肪チョコレートミルク
低脂肪ストロベリーミルク
1つ選ぶ

【メインメニュー】

メインは日替わりで3~5種類用意されていて、好きなものを1つ選びます。

息子たちの小学校では、金曜日はいつもピザです。

【サイドメニュー】

生のミニ人参

サイドメニューも日替わりで、3〜5種類が用意されていて、好きなものが選べます。

サイドメニューはいくつ選んでも値段が変わらないことが多いので、一度の会計で多めに取っておくのが節約のコツです。

2025年秋の新栄養基準(添加糖分規制)

アメリカの給食は連邦政府の定める栄養基準を満たしていますが、加工食品や揚げ物が多く、糖分や塩分過多が長年の課題でした。

これを受け、バイデン政権は2024年4月に2025年秋から実施される新しい給食基準を発表しました。

  • 中心となる規制: 朝食での添加糖分の制限導入(シリアルやヨーグルトなどの主要メニューが対象)
  • その他: 風味付き牛乳の糖分規制、塩分の段階的削減なども計画されています。

これは約3000万人の児童に影響を与える大規模な改革で、今後アメリカの給食がさらにヘルシーな方向へシフトしていく可能性があります。(詳細はUSDA Food and Nutrition Service:日本からはアクセス不可。MillenVPNでアメリカのサーバーに接続すると閲覧できます。)

MyPlate.gov(米国栄養ガイド)を確認したい方はこちら>>

スナックタイム

アメリカの学校給食スナックメニュー

スナックは家から好きなものを持たせます。

スナックと聞くとお菓子を想像するかもしれませんが、バナナ・りんご・ぶどうなどのフルーツやサンドイッチ・クラッカーなどを持ってくる子が多いようです。

とはいえ、スナック菓子でも大丈夫。

チョコレートや飴などは体に良くないため「禁止」と言う先生もいます。

長男の先生は「なるべくヘルシーで健康的なスナックを持ってくるように」と言っていました。

スナックタイムをもうけていない先生のクラスになったときは、この時間はありません。

給食メニューの確認方法

学校のホームページから確認できます。(息子の学校は来月末までのメニューが掲載)

日本の給食とは異なり、ほとんど同じメニューがくり返されていて、週に2回同じものが出ることもありますよ。

【2025年版】アメリカの給食費相場と無償化・割引制度

給食費は地区(School District)ごとに決まるため大きくばらつきますが、全米の中央値や無償化の最新動向を確認しておくと目安になります。

【速報】学年別・全米の給食費相場

School Nutrition Association(学校給食協会)の2024–25年度調査に基づく、有料で給食を払う生徒向けの全米中央値は以下の通りです。

食事学年2025年 中央値(目安)
朝食小学生1.80ドル
昼食小学生2.95ドル
昼食中学生3.10ドル
昼食高校生3.20ドル

全米の「典型的な(有料)給食価格」は、朝食が約1.7〜2.1ドル、昼食が2.9〜3.3ドルの範囲に収まる地区が多いです。(出典:School Nutrition Association

わたしの子どもが通っている小学校では、親もお昼の給食を5ドルで食べられます。(予約必須)

【州別】給食費の傾向(ケンタッキー州・ニューヨーク州の例)

給食費は学区の財政状況で大きく変動します。

  • ケンタッキー州(Kentucky):多くの地区でコミュニティ適格性制度(CEP)を活用しており、無料で提供する学校が多いです。有料地区では全国中央値と同程度か、やや安めの地区も見られます。
  • ニューヨーク州(New York):都市部(NYCなど)を中心に無償給食の導入が広がっています。有料地区では、小学生の昼食が3〜4ドル、中高生は3.5〜5ドルという幅が見られます。

給食無償化の最新動向

現在、アメリカの9つの州では、所得制限なしで公立学校の給食費が無料になる「ユニバーサル学校給食プログラム」が実施されています。

「ユニバーサル学校給食プログラム」が実施されている州

ニューメキシコ州、ミネソタ州、バーモント州、ミシガン州、コロラド州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、メイン州、イリノイ州

「食事は学ぶために欠かせない」という考えから、無償化の流れは全州に拡大する流れが高まっています。

給食費が無料または割引きされる収入の目安

ユニバーサルプログラムの対象外の州でも、世帯収入が一定額以下の家庭は、申請をすると無料または割引価格で給食を受けられます。(アラスカ州・ハワイ州をのぞく48の州で共通)

世帯人数無料になる月収割引になる月収定価の月収
(割引なし)
2~$1,984$1,985 ~$2,823$2,824~
3~$2,495$2,496 ~$3,550$3,551~
4~$3,007$3,008 ~$4,278$4,279~
5~$3,518$3,519 ~$5,006$5,007~
6~$4,029$4,030 ~$5,733$5,734~
7~$4,541$4,542 ~$6,461$6,462~
※アラスカ州・ハワイ州をのぞく48の州で共通 

詳しくは USDA (米国農務省)のサイトや学区の「Food Service」ページで確認してください。

4人家族の場合、月収4,278ドル以下であれば「割引」、3,007ドル以下なら「無料」となります。

申請はMy School Appsから学校年度の始めに行うことができ、年度途中で家庭の状況が変化した場合も随時申請が可能です。

給食費の支払方法とプリペイドシステム

アメリカの給食費は、日本のような月額制ではなく、食べた分だけプリペイドカード(前払い)から引かれる仕組みが一般的です。

  • アプリからのチャージ: 「My school bucks」などの専用アプリを通じて、親がオンラインでクレジットカード入金するのが主流。アプリで残高や購入履歴の確認可。
  • 現金でのチャージ:子どもが現金を持って学校のレジでチャージしてもらうことも可能。

キンダーの頃はまだ自分でカードの管理が難しいため、担任の先生がカードを回収し、管理してくれる場合もあります。

一度会計を済ませたあと、おかわりをもらいに行くと、給食費が無料の子でも改めて1回分の料金を支払う必要があります。

小学生が2回分の料金を払うと1回のランチが6ドルになるので気をつけてください。(「おいしかったから2回食べたー」という日にアプリで確認すると、しっかり2回分引かれています……)

サイドメニューはいくつ選んでも値段が変わらない場合が多いので、なるべく1回で多めに取るよう話しておくといいかもしれません。

アメリカと日本のお弁当事情(いじめ対策含む)

アメリカでは給食を食べるか、自宅からお弁当(ランチボックス)を持っていくかは完全に個人の自由です。

現地で一般的なお弁当(ランチボックス)の内容

アメリカの小学生が持っていく一般的なお弁当は、手作り感よりも手軽さが重視されます。

一般的なお弁当の例

  • サンドイッチ(ピーナツバターとジェリー、ハム、ツナなど)
  • クラッカーとチーズ
  • 野菜スティックとディップ(ソース)
  • フルーツ(みかん、ぶどう、バナナなど)
  • 保冷剤代わりに凍らせたジュースボックスやヨーグルト

「食」へのこだわりは日本人ほど高くない傾向があり、「手間をかけたお弁当」に大きな価値を見出す親御さんは少ないです。

日本の「お弁当」は特殊?いじめトラブルと対応

最近はアメリカでも「Bento Box」が注目されていますが、可愛らしいおにぎりや手の込んだ「キャラ弁」は、アメリカの大半の子どもにとってかなり特殊に見えます。

異文化に慣れていない子どもが多い学校では、日本の「おにぎり」や「卵焼き」などの見た目や臭いが原因でからかわれたり、いじめに発展したりするケースがSNSでも話題に上がることがあります。

もしトラブルが起きたら速やかに担任や校長先生に報告しましょう

【経験談】アメリカの小学校で子どもが「いじめ」にあったときの対処法はこちらにまとめているのでよかったら参考にしてください。

現地で人気の弁当箱と水筒事情

お弁当箱は、「保冷バック仕切りのついているお弁当箱」か、「保冷バッグにジップロックやタッパー」の2パターンが主流です。

日本の弁当箱セットでも問題ありませんよ。

わたしがカフェテリアへ行ったときは、クラスの1/5くらいの子はお弁当を持ってきていました。

水筒は、アメリカ人の子ども達にはストローつきの水筒が特に人気です。

もちろん日本の水筒でも大丈夫ですが、もし「アメリカの子ども達に人気の水筒を買いたい」と思っているならアメリカの子ども達に人気の水筒おすすめブランドの記事を参考にしてください。

給食のアレルギー対策や歯みがきなどの現地事情

アレルギーのある子への学校の対応

給食ではアレルギー対応食は提供されないことが多いため、アレルギー食材が入っていないメニューを選ぶか、お弁当を持たせることになります。

アメリカでは「ナッツアレルギー」の子が多い印象。

カフェテリアにはアレルギーを持つ生徒専用の「アレルギーフリーテーブル」が用意されています。

他の子と食べるのが心配な子は、アレルギーフリーテーブルを利用しましょう。

給食後の歯みがきは?

給食後にみんなで歯みがきをする習慣はありません。

歯みがきをしたい子は、給食後にトイレで個別にできます。

(悲痛)食べ物を大切にする心はご家庭で教えましょう

アメリカでは、食事時間が終わると残りはゴミ箱に捨ててしまいます。

嫌いな物も無理に食べず、捨てて終わりなのです。

アメリカへ来て間もない頃、息子にこう言われました。

給食は、食べられなかったら捨てればいいんだよ~

え!?………(泣)

日本では「食べ物は大事にしようね」と言いながら子育てしてきたので、たった数日でそんな事を学んだのかと悲しくなりました。

日本の給食は、栄養バランスや衛生管理に加え、「いただきます」「もったいない」といった食育に重きを置いています。

しかしアメリカでは「食べ物を残さない」「生産者に感謝する」といった日本の価値観は、学校ではほとんど触れられないのです。

食べ物を大切にする心は、ご家庭で親御さんが教えてあげる必要があると感じています。

まとめ:アメリカの給食を上手に利用しよう

アメリカの給食は、日本のシステムやメニューとは大きく異なりますが、子どもたちにとっては現地文化を体験する貴重な機会です。

アメリカの給食の日本との違い
  • 好きなメニューを自分で選べる(選択制)
  • 給食費はプリペイド式、無償化が一部の州で進行中
  • 主食はパン系で揚げ物や甘いメニューも多い
  • 野菜は生かシンプルな調理法
  • フルーツは毎日出る
  • 魚は少ない(フィッシュフライやサーモンくらい)
  • 食べ残しを捨てることが容認されている

わたしは個人的に、子どもが食べられるなら友達と一緒にアメリカの給食を楽しんだらいいと思っています。

給食で不足しがちな栄養素や食べさせたい食事があるなら、夕食や週末の食事でしっかりとカバーすれば大丈夫。

それより、現地の子ども達と同じものを食べて「今しか経験できない体験をさせる」ことのメリットは大きいと思います。

「アメリカの給食を食べていると太りそう」と思っていましたが、息子たちは3年以上食べていて体型の変化はありません。

とはいえ、日本で育っていると「アメリカの給食は口に合わない」という子もいるとは思います。

お弁当作りは親の負担になりますが、いつでも好きなときに予約なしで利用できるカフェテリアや、お弁当を持参すれば少しは節約になる、と前向きに考えてアメリカの給食制度を上手に利用していきましょう。

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