アメリカ駐在員の子どもの多くは、週末に「日本人補習校(補習授業校)」へ通っています。
今回はアメリカの日本人補習校に通っている子どもを持つわたしが、以下の内容を解説します。
学校によって細かいことは異なると思いますが、多くのことは共通していると思うのでこれからアメリカ駐在予定の方はぜひ参考にしてみてください。
アメリカの日本人補習校の概要
アメリカには205校の日本人補習校があります。
日本人補習校では、平日は現地校に通っている日本人の子どもが土曜または日曜日に日本の教科書を使って日本の学校と同じペースで学習します。
日本の学校と同じように週5日間日本の授業を受けられる日本人学校とは異なり、1週間に学ぶ内容をギュッと1日で学習するのが日本人補習校です。
多くの日本人補習校は、日本語が通じる子どもであれば誰でも手続きをすれば通えます。
しかし、学校によっては筆記試験や面接を受けて日本語能力をテストされてから入学を許可されたり、定員を大幅に超えると入学できないこともあるので、一度問い合わせてみてください。
日本人補習校の事務の先生は日本人なので、質問があれば日本語メールで問い合わせたらいいですよ。
【アメリカの日本人補習校】入学準備
入学手続きに必要な5つの書類
日本人補習校の入学手続きに必要な5つの書類を紹介します。
- 入学願書
- 家庭環境調査書
- 授業料等銀行口座引落し同意書
- チェック(小切手)のコピー
- 予防接種証明書のコピー
※各学校のHPで確認してください。
①入学願書、②家庭環境調査書、③授業料等銀行口座引落し同意書は日本人補習校のホームページからダウンロードして記入します。
日本人補習校の支払いに使える引落し口座は、アメリカ国内の銀行です。
渡米後すぐに日本人補習校へ通いたい場合は、日本にいる間にアメリカの銀行口座を開設しておきましょう。
わたしは日本にいるあいだに、アメリカの「USバンク」を開設しました。(日本語で手続き可)
④チェック(小切手)のコピー
チェック(小切手)はアメリカで開設した銀行に問い合わせると手に入るので、コピーして提出します。
わたしが「USバンク」で口座開設したときは、チェック(小切手)が50枚ほど無料でもらえました。(通常、小切手は有料:現在のキャンペーンは直接確認してください)
⑤予防接種証明書のコピー
予防接種証明書は現地校入学のために用意したものをコピーすればいいので、以下の記事を参考にしてください。
入学金・授業料・教材費
入学金 | 100ドル |
授業料(幼稚部) | 40ドル/月 |
授業料(小学生~高校生) | 80ドル/月 |
支払い方法 | 銀行口座からの自動引き落とし 毎月月末に翌月分 |
教科書代 | 小学生~中学生は無償 高校生は実費 |
副教材費 | 35ドル~200ドル/年間 |
現在日本に住んでいる小学生~中学生のお子さんがこれからアメリカの日本人補習校に通う場合、日本で教科書の準備が必要です。
- いま通っている小中学校に「教科書給与証明書」を作成してもらう
- 「海外子女教育振興財団」に問い合わせる
- 足りない教科書を注文する
入学後の後期分(前期入学者)次年度分またはの教科書は、日本人補習校で支給されます。
副教材費(前期分)
教科書以外の副教材費を「前期と後期」に分けて引き落とされます。
今回は前期分を紹介します。
✔ 幼稚部
- $17.8 / 前期分
✔ 小学生
- 1年生 $37.07 / 前期分
- 2年生 $37.07 / 前期分
- 3年生 $60.41 / 前期分
- 4年生 $60.41 / 前期分
- 5年生 $66.86 / 前期分
- 6年生 $59.84 / 前期分
✔ 中学生
- 1年生 $92.97
- 2年生 $54.09
- 3年生 $75.43
✔ 高校生
- 1年生 $32.36
※現在高校2~3年生がいないので、教材は不明です。
【アメリカの日本人補習校】時間割
幼稚部(年長さん)
幼稚部に細かい時間割はありません。
半日(2時間半)授業で、午前と午後のクラスに分かれています。
担任・保護者のボランティアの合計2名で子ども達を見ています。
- 午前のクラス( 9:00~11:30)
- 午後のクラス(12:30~15:00)
※15分前(午前8:45~または午後12:15~)から登校できます。
✔ 幼稚部が学校でやっていること
- ひらがなを1日2文字練習する(あいうえお順)
- 日本のうたを歌う
- おりがみ
- 工作
- 体育館で遊ぶ(毎回)
半分の時間は机に座って文字の練習や工作などをし、残り半分の時間は体育館で運動遊びをしています。
小学生
小学生からは担任の先生1人で授業しています。
✔ 小学1、2年生は国語3コマ、算数2コマ、生活1コマ
✔ 小学3~6年生は国語3コマ、算数2コマ、社会1コマ
日本で1週間かけて勉強するものを、1日でサラッと勉強して帰ってきている感じです。
「理科」の授業はありません。
補習校によって勉強する教科は変わりますが「国語だけ」「国語と算数」のみの学校が多いです。
中学生
✔ 国語3コマ、数学2コマ、社会1コマ
中学生も理科の授業はなく、下校時間は小学生と同じです。
高校生
✔ 国語&小論文3コマ、数学3コマ
高校生も、小学生や中学生と同じ終了時間となっています。
国語と算数の授業のみなので、他の教科は自分で学習することになります。
【アメリカの日本人補習校】年間スケジュール
毎週土曜日に登校するので、年間約40日通います。
日本の学校でもやるようなイベントもありますよ。
イベント内容 | 日程 |
入学式 | 4月中旬 |
夏休み | 6月中旬~7月22日頃 |
球技大会 | 9月 |
漢字検定(希望者のみ) | 10月末 |
冬休み | 12月中旬~1月6日頃 |
カルタ・百人一首大会 | 1月 |
卒業式(小・中・高) | 3月中旬 |
幼稚部&小学1年生・中学1年生・高校1年生のお子さんは入学式があります。
入学式や卒業式の服装は「日本の学校と同じ」と思っていたらいいですよ。
親の役割(当番あり)
- 毎回の送り迎え&弁当作り
- 宿題のチェック
- 当番
①毎回の送り迎え&弁当作り
小学一年生以上の子どもは毎回お弁当が必要です。
②宿題のチェック
宿題に出てくる文字の「とめ・はね・はらい」なども親が指導して丸つけをするように、という案内が来ました。
間違いがあれば教えたり、教科書の音読を聞いたり、宿題の時間は親も一緒です。
③当番
✔ 幼稚部
クラスの名簿順に毎回1クラス1名が当番に割り当てられます。
登校時間に子どもを誘導したあと、授業時間(2時間半)のあいだクラスで先生たちの補助をします。
✔ 小学生~高校生
- 時間・・・11:30 ~ 13:10
- 人数・・・6名(体育館2名、カフェテリア前1名、図書室3名)
- 内容・・・体育館・カフェテリア前の監視、図書室で返却本を本棚に戻したり本の貸し出し作業
当番は全員回ってきますが、兄弟がいる場合は一番下の子の時だけです。
もし都合が悪い日に割り当てられていたら、自分で交代してもらえる人を探します。
全学年の親の名前と電話番号がのっている当番表が配られるので、親同士はSMS(テキストメッセージ)で連絡をとりあうことが多いです。
日本人補習校の図書室では日本の本を借りられる
日本人補習校には図書室があり、昼休みに本を借りることができます。(子どもが通っていない一般の人でも借りられます。)
最新の本はあまりありません。
これからアメリカへ行く本好きな方は、引っ越し荷物と一緒に送るといいですよ。
日本のAmazon Kindle(月980円)ならスマホやパソコン、iPadで最新の日本の雑誌や子ども向けの本など200万冊以上が読み放題です。
わたしも利用していますが、アメリカのネット回線で読めているので便利ですよ。
アメリカで日本の本を読む方法は帰国後も困らない!海外在住の子どもが効率よく日本語を学習できる5つの方法という記事でも紹介しています。
日本人補習校の宿題の量
学校や先生によって宿題の量は異なりますが、幼稚部~小学2年生までは週に10分~1時間あれば終わるような内容です。
小学3年生からは社会のドリルもあるので、1週間のトータルで2時間ほどみているといいと思います。
宿題はデータのみ送られてくるので各家庭で印刷します。
日本のプリンターはアメリカでも使えますが、同じインクは売っていないかもしれないので注意してください。
宿題はすべて親が丸つけをします。
ちなみに、夏休みにも少し宿題が出ますよ↓
日本の勉強についていくには家庭での対策が必要
正直、週1回の日本人補習校だけに頼っていたら日本の勉強には全くついていけなくなると思います。
小学校1年生であっても、漢字などは家で練習する習慣がないとすぐに忘れてしまいます。
いずれ日本の学校に通うのであれば、家庭でどんな学習をさせていくか考えておくといいですよ。
帰国後も困らない!海外在住の子どもが効率よく日本語を学習できる5つの方法
アメリカ生活3年目のわが家はチャレンジタッチやスマイルゼミなどのタブレット学習をかなり活用しているおかげで補習校での成績は毎年すべて◎、さらにアメリカでも漢検に合格できています。
まとめ:特に3つのものを準備しておくと日本人補習校の入学手続きがスムーズにできる
アメリカの日本人補習校に通う予定なら、以下の3つを準備しておくと入学手続きがスムーズにできます。
- チェック(小切手)のコピー
- 予防接種証明書のコピー
- 教科書
補習校に入れたら親はラクできるというわけではなく、宿題や家庭での学習、当番や送り迎えなど、親子で一緒にがんばる覚悟が必要です。
平日は現地校、土曜日は補習校に通うと休みは日曜日だけになります。
しかし、ここでの経験は親子で素晴らしい経験になっていると感じています。
日本人補習校で出会う日本人の仲間達と、楽しい時間を過ごせるといいですね。